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2013/01/22

Invisible Boy Again











Fun Lovin' Criminals - Mister Sun


















































































透明になった僕はまだ諦めていなかった。無用心系 美女を探して昼夜 街や住宅街を彷徨い、毎日 透明な靴をすり減らした。そしてとーとー地獄の天使は僕にニギニギ微笑んだのである。 跡をつける事 108人目のその女はジェシカ・アルバと宮崎あおいを足したり引いたりした感じで文句無い。宮崎ジェシカは1Rマンションの3階に上がり、僕はいつもの様に期待しないまま彼女の背中を見送ると、なんと鍵の閉まる音はしなかった。 「ぶよーじーん!」 しかし、ここで焦ってドアをガチャリと開ける訳にはいかない。音や風で 「くせものか!?」 となってしまっては それまでである。  なんたって焦る乞食は貰いが少ないモンだからね。


僕は女がトイレか風呂に入るのをドアに耳を付けてひたすら待つ事 3時間。「さっきから 君は何をやっているんだい?」と何度も1月の冷えたコンクリートや消火器に問われ、僕の心は貝殻の様に閉じていたが、現場(室内)でホシが動いたその時にはリオのカーニバルの様に血が騒いだ。「むはははははは!」と悪魔笑いをキメて、僕は忍者の様に「ニンニン♪」言いながら部屋に転がり込んだ その瞬間に足の裏に激痛を感じた。「撒きビシか!?」と思いきや、散乱した ポテトチップやセンベイであった。

「臭ぇ、息もしたくねーくらい超臭ぇ。」 室内は誰かの変死体があっても驚かない感じのゴミ部屋であった。テレビもエアコンもファーが付いているみたいに埃だらけで、シンクは色とりどりなカビだらけ、風呂は水垢だらけ、トイレは公衆便所並に不衛生であった。トイレから戻ってきた女はゴミの隙間に腰を下ろして焼き芋を食い、無表情でテレビのバラエティ番組を見ながら屁をこいた。


限界である。僕は 「無礼者ぉ!」 と叫びながら乱暴にドアを開け、部屋を飛び出した。階段を駆け下り、商店街を泣きながら走った。途中、腹いせにマヌケな野郎の尻を蹴ったりして更に走った。すぐに息が切れて、国道の信号でヒザに手をあてて立ち止まると、後ろから猛スピードで来たおじさんの自転車に突き飛ばされて車道まで押し出され、車に轢かれた。僕は信号の前で血だるまだったが、透明だから誰も僕を見ていなかった。僕は最後の力を振り絞って助けを求めようと手を伸ばし、誰かの服をグイっと引っ張った。 するとスーパーの袋で両手を塞いだ おばちゃんのスカートがズルリと落ちて、僕は静かに息を引き取るんだろうな。








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