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2025/09/21

Umeboshi Made by Esoteric











Ten City - All Loved Out


街中の歩道でその女は私の背後にヌルりと忍び寄ると優しく言葉をかけた。

「手相を見せていただけませんか?」

少しの煩わしさを感じながらも、

人生のあらゆる選択肢に疲れていた私はこれも運命と思い彼女に右手を差し出した。

 

「おぉ、あなたの手相は素晴らしい、

運命や知性、あなたを優しく見守るご先祖様達、

・・ですがあなたの秘められた才能を遮る影があります。」

そう言ってその女は口を徐々に尖らせ、

上唇と鼻の間にペンを挟んでいるかの様な困ったひょっとこ顔をした。

 

私がその表情のインパクトに押されて狼狽していると、

女は尚も顔を歪めて皺を増やすと語気を弱めて言った。

「これは事実です。それらはご先祖達の大罪なのです。」

なんと言う事だ。

壺か、巻物か、それとも贋作の絵画なのか、

金で解決出来るのなら何でもしようと意気込む私に女は言った

「コインランドリーに行って下さい。」

その時、女の表情は何かとても臭いものを嗅いでいるような顔だった。

 

私は女に背を向けて歩きながら

もう何日も同じ服を着ているような気がして着ている服の臭いを嗅いだ。

行く手にあるベーカリーの前にはホームレスの老人が地面に横たわっていた。

その老人は何かモゴモゴと唱えながら

おもむろに体を横に向けてズボンのジッパーを下ろしてチンコを出し

小便をした。小便はかき氷のレモンシロップの様に黄色かった。

 

程なく大きなストリートを曲がりコインランドリーに入った。

中には100台くらいランドリーマシンの置いてある大きな店だが客は1人もいなかった。

私は少し迷ってから着ていた服を全て脱いで洗濯機の一つに放り込むと

抗えない眠気に襲われて

ランドリーに設置されていたベンチで眠ってしまった。

 

遠くでランドリーマシンの音が鳴った。

突然体中に電撃が走ったような衝撃があって

誰かに押さえつけられる様なそして痺れる様な感覚があって

私の体は金縛りにあった。

私は全身全霊を込めて目をカッと開いた。

視界の隅に洗濯を終えたマシンの中から七色の強い光が漏れていた。

 

間もなく体が浮き始めた。

腰のあたりから引っ張られるように

ベンチから少し浮き上がる。

私は幽体離脱が始まったと歓喜し

動かない体を全力で頑張れと応援した。

 

私の体は50cmほど浮き上がった後に

上から私の体を引き上げていた糸が切れたように

私の体は落下してバタンと音を立てて落ちた。

 

そんな夢を見た。






















































































































































































































































































Yes We love tattoo




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