lagwagon - bye for now
ラグワゴンはインディーの頃出したCDがミリオン売れたんだよ。 ゴイすー♪
不思議な事だけど、 「生理的に受け付けない」 って理由で、苦手な人がいたりするでしょ?
僕は小学生の低学年の頃から、佐藤浩市が嫌いだった。 親父の三國連太郎は問題ねー。
勿論、浩市とは面識がないので、テレビ画面を通して、一方的に 「無理無理。」 と言ってた訳なんだけど、
ある時、小学校で 「似てる!似てない?ブーム」 が巻き起こって、クラスメートの一人が僕に
「林はあれだ、佐藤浩市に似てるな!」 「似てる!似てる!」 ってな出来事があった。
以来、竹中直人とか、なぎら健壱、首都高から落ちた料理人のケンタロウ、台湾のラッパー(見た目:普通のおっさん)、
髭とか、タワシとか、ルンペンとか、アラブ人とか、兎に角、ロクな事を言われた事が無い。
だから、僕はすっかり心がヤサグレて、芸能人なんかみんな豆腐の角に頭をブツけて死ね!と思うようになった。
近所には 「浜福」 って中華屋があって、
僕はそこのナスの旨煮辛子ソバって、ラーメンの上にマーボーナスがのってるメニューが好きで時々通ってた。
何度か友達を連れてったけど、みんな微妙な顔をしていたから、そんなに美味しくなかったのかもしれない。
子供の頃から通ってるけど、そこのオヤジとは1度も話した事はなかった。
あの時、僕が20代も半ばの頃、確か数年ぶりに実家に帰った時で、故郷の味を求めて 「浜福」 へ行ったんだと思う。
いつもの様に 「ナスの旨煮辛子ソバ」 を注文して、14型の小さくて汚いテレビを眺めていたら、
なんと厨房からオヤジが話しかけてきやがった。
「あの、イチローに似てますね。野球の、イチロー。」
「・・・・・・・へー、そーですか。」
僕は、それ以外の言葉が見つからなかったので、僕と浜福のオヤジは数秒間、見詰め合った後、
オヤジは目を下ろして料理を続け、僕はしょーもないテレビに向き直った。
長い事、自分を蔑んで生きていると、例えば突然、褒められたりした時、どんな顔をして良いのか分からない。
僕はスポーツはmotoGPしか見ないから、イチローの凄さはまったく知らないんだけど、
いつだかNHKのトップランナだかで、彼が 「僕が凄いのは当たり前なんですよ。何故なら僕は人の倍、練習してますから。」
って、面倒臭そーに言ってるのを見て好感を持っていた。
その夜、風呂場の鏡に向かって僕は、そのセリフを、うろ覚えのイチローのモノ真似で練習した。
「僕が、凄いのは、当たり前なんですよッ!」・・・
「僕が、凄いのは、当たり前なんですよッ!」・・・・・
数年前、久しぶりに浜福へ足を運んでみると、店はいつの間にか、おっ潰れてサラ地になっていた。
「浜福のオヤジよ、いい思い出をセーンクス☆」