暑い日が11月まで続くと言うのは本当ですか?
僕はバイクに乗りたい気分です。
Nicola conte - Life Forces feat. Zara McFarlane
あれはいつの夏の事だったか、
その頃よくランチに行っていたその名も魚屋と言う定食屋があって
そこは場末の辺鄙な建物の2階にあるが家族経営のアットホームな店だった。
店は元気のいい中年夫婦とお婆ちゃんと時々アルバイトで営業していた。
みんな笑顔の素敵な地元に愛されているいい店で
お婆ちゃんはショートカットを茶色に染めたつぶらな瞳のキュートな人で
自他ともにみんなのお母さんの様な存在だった。
ある真夏日のこと、いつものように混み合うお昼の少し前に魚屋に行くと
その日はエアコンが不調で店内はモワモワしていた。
「いらっしゃい!!」と店の人達のいつもの笑顔の後に
店の奥から顔面汗だくのお母さんが忙しそうに出てきて
席に案内しながら軽い世間話の後に注文をする。
僕らが食事するころには店は満席で
お母さんは店の中を走り回る
お母さん「今日は何にするー!?」
娘(めぐさん)「お母さんそこはさっき聞いたー!奥の席聞いてきてー!!」
お母さん「今日も暑いね!今日は何にするー!?」
お客1「じゃあ、海鮮丼を」
お客2「僕も、海鮮丼」
お客3「僕は特選丼のご飯を少な目で」
お母さん「めぐー聞こえたー!??」
娘(めぐさん)「聞こえないよ、紙に書いてー!!」
お母さん「あいよー!!海鮮丼3つぅー!!!」
お客3「あ、いや、僕は特選のご飯を!」
お母さん「あーー!!!」
1分後
お母さん「今日は何にするー!?」
娘(めぐさん)「お母さんそこもう3回聞いてるよー!煮魚定食持って行ってー!」
お母さん「あーー!!!」
お母さんはその日、いつもの3倍くらいの大忙しだった。
僕らが食事を終えてレジに向かうと
配膳戻りのお母さんが僕の連れの足につまずき、
倒れるように僕の胸に飛び込んできた。
僕「おー!!大丈夫ー!?」
お母さん「わーぁ~」
まるで少女漫画に出てくる男女が恋に落ちる瞬間の様に
スローモーションで
その日以来、職場のお向かいさんでご近所付き合いがあった事もあり
ランチに行ったその日の午後には
貰い物のスイカやメロンや甘味モノ
買ってきたアイスやお茶の差し入れをくれるようになった。
お母さんよいつもありがとう
今思うともう1度くらい抱きしめてあげればよかったな
6月の終わり頃、サウジアラビアでは気温が50℃を超えて
その極限的な状態で目にした幻想的な美しい光景に感動して
祖父殿は涙が止まらなくなったと言っていた
この世で唯一の正義は美を愛でる心に宿るものであって欲しいね