相対性理論 - シンデレラ
わたしのマシンはボン、ボン、ボンネビル
火を噴く2ストロークのエンジンが
闇を切り裂いて吼える~♪
僕のは4ストロークだけどね!
お買い物、おキッス、おセックス、
初体験が必ずしも、甘酸っぱいって訳ではないけれど、
僕は初めての手術に、少し胸がトキめいていた。
なんたって、心臓や脳ってんじゃなくて、
手にチタン製のプレートを埋め込む、改造人間手術だからね。
僕が入院したのは、1番安い5人部屋である。
隣のじいさんは、看護師が来る度に、 「お腹にガスがぁ~」 と訴える。
腹痛のヤツは、看護師が来る度に、 「今日のご飯のメニューは何ですか?」 と聞く。
学生は、看護師が来る度に、 「いつ、退院できますか?サークルの集まりがぁ~」 と問う。
もう一人は、看護師が来る度に、何もしゃべらない。
僕は全身改造人間が、食、睡、性の三欲と、どの様に向き合っているのだろーか?
とか妄想しながら、午後19時、
手術前の最後の晩餐を、薄暗いベットの上で詰め込み食いした。