大島渚 - 新宿泥棒日記
大島さんが亡くなったそうなので、最後に少しだけ褒めてみようかと思います。 大島渚監督の映画のかっこいいトコは、ビートたけしとか、坂本龍一とか、そこらのフーテン娘とか、それまで役者経験の無い異業種の人を主役にする事を 昔からやっている所ですね。 僕の好きな 「新宿泥棒日記(1969年)」 にも横尾忠則が主演していたりして、渚の糞野郎 イカしてるぜ!と思います。
横山リエ
この映画 「新宿泥棒日記」 が製作されていた1968年は、時代的にアメリカからヨーロッパではフリーセックス・ムーブメント(性別格差 開放運動) の頃で、それから派生した新しい貞操観念や、ヒッピー・カルチャーによる独自解釈の乱交セックス文化あたりの流れが切っ掛けと思われる感じで、当時の日本において 「セックスとはなんだい?」 がテーマになっているんだけど、見所は僕好みなカメラと照明具合に、唐十郎らの前衛的なシーンや、思わず溜め息が出ちゃう様な芸術的なショットが盛り込まれているトコだよ。 唯一 残念なのは当人役で出演している紀伊国屋書店の社長のダイコン演技くらいだね。
唐十郎
麿赤児 と 四谷シモン
僕が映画の専門学校に通っていた時、井筒和幸組のプロデューサーで、井筒さんとまったく同じキャラのおっさんが講義に来ていて、そりゃもー自信満々に 「映画は芸術なんかじゃない!商品や!」 と言っていた。 そりゃーそーである。井筒作品は一生懸命作ってる感じが伝わってくるし、面白いし、一般的にはウケはいいんだろうと思うけど、残念ながらテレビドラマでもいいじゃんってレベルで映画未満だと僕は思っているからね。
大島渚 監督、お疲れ様でした!