かせきさいだぁ - CIDERが止まらない
順子ちゃん と モヒンダー
高校生の頃、近所のファミリーマートにバイト募集の張り紙があって、
そこには 時給¥680 と書いてあった。
「ふざけやがって、このご時世にどこのどいつが、そんな時給で働くってんだ?」
と、思っていたんだけど、バイトの面接に落ちまくってた僕が、気が付いたら働いていた。
そこには 時給¥680 と書いてあった。
「ふざけやがって、このご時世にどこのどいつが、そんな時給で働くってんだ?」
と、思っていたんだけど、バイトの面接に落ちまくってた僕が、気が付いたら働いていた。
そこにエツカって1つ年下の女の子がいて、顔が少しデカい気がしたけど可愛い子だった。
半年ほど経って、僕の時給が¥690になった頃、
エツカが 「おい、合コンしてやろーか?」と言いやがったので、
僕は 「お、お願ぇーしますだ!」 と、土下座した。
半年ほど経って、僕の時給が¥690になった頃、
エツカが 「おい、合コンしてやろーか?」と言いやがったので、
僕は 「お、お願ぇーしますだ!」 と、土下座した。
合コンの前日だったか、大して話した事もない深夜のバイトの大学生が寄ってきて、
「知ってる?エツカちゃんは店長と付き合ってるんだよ。」 と言った。
そー言えば、最近、店長はずっとソワソワしてて、
「エツカちゃんには彼氏がいるらしーからなぁ。」 「年上で、うまく行ってるみたいだ。」
と、聞いてもない話をするので、気持ちが悪いなぁと思ってた。
「知ってる?エツカちゃんは店長と付き合ってるんだよ。」 と言った。
そー言えば、最近、店長はずっとソワソワしてて、
「エツカちゃんには彼氏がいるらしーからなぁ。」 「年上で、うまく行ってるみたいだ。」
と、聞いてもない話をするので、気持ちが悪いなぁと思ってた。
その頃、僕は体面とか、世間体なんてのに疎くて、
店長とバイトが付き合ってる事を隠す意図が、まったく分からなかったから、
大学生の言葉が冗談か本当かわからないまま、 「へぇー、」 と答えた。
店長とバイトが付き合ってる事を隠す意図が、まったく分からなかったから、
大学生の言葉が冗談か本当かわからないまま、 「へぇー、」 と答えた。
合コンの当日、エツカはカラオケボックスでカクテルをがぶ飲みして、
僕の目の前で、シンスケ君とベロベロ舌を絡ませて、次の日、2人は恋人同士になっていた。
僕は、髪をテカテカに固めてキメて行ったのに、何のハプニングも起こらなかった。
僕の目の前で、シンスケ君とベロベロ舌を絡ませて、次の日、2人は恋人同士になっていた。
僕は、髪をテカテカに固めてキメて行ったのに、何のハプニングも起こらなかった。
店長は、 「オレは若い頃、ホンダのVFR400に乗ってて、甲州街道を140Km/hで走ってたぜ!」 って自慢が好きで、
時々、機嫌がいいと、クリオネみたいな動きの小躍りをしたりした。
ところが合コン後の店長は、 「私、毎日、下痢気味です。」 みたいな顔で、目も虚ろに、360°悲壮感だった。
いやはや、僕にはかける言葉がまったくないよね。
時々、機嫌がいいと、クリオネみたいな動きの小躍りをしたりした。
ところが合コン後の店長は、 「私、毎日、下痢気味です。」 みたいな顔で、目も虚ろに、360°悲壮感だった。
いやはや、僕にはかける言葉がまったくないよね。
シンスケ君は、僕が聞いてもいないのに、エツカがベットの中でどーの、こーのって話を延々してくるので、
すっかりウンザリしていた頃、バイト終わりに、下痢顔の店長に「偶には飯でも行かないか?」と誘われた。
偶にも何も、そんな事は初めてだったけどね。
すっかりウンザリしていた頃、バイト終わりに、下痢顔の店長に「偶には飯でも行かないか?」と誘われた。
偶にも何も、そんな事は初めてだったけどね。
近くのステーキ屋で、ステーキを奢ってもらった。店長は食いながら、テーブルに飛んだ油の点々を見ていた。
僕が、気持ち悪いなぁと思っていたら、店長が「実は・・」 と切り出した。
「・オレのばあちゃんは、占い師だった。そん所そこいらのじゃない、
地元では有名人で、地震やら天災の予知は100%だったし、
病気を発見して人の命を救った事もしょっちゅうだった。
だから、家の家族で、ばあちゃんの言う事を聞かない奴はいない訳なんだけど、
そのばあちゃんから先日、電話があって、今、お前が付き合っている女は運命の女だって言ったんだよ。
それで、もし、その女とオレが別れる様な事があったなら、オレは3年以内に死ぬ運命に変わるらしい。
実は、今、オレは彼女とうまくいっていないんだ。
・・・その、何てゆーか、人と人の繋がりってゆーのは、簡単なものではないんだ。わかるか?」
僕が、気持ち悪いなぁと思っていたら、店長が「実は・・」 と切り出した。
「・オレのばあちゃんは、占い師だった。そん所そこいらのじゃない、
地元では有名人で、地震やら天災の予知は100%だったし、
病気を発見して人の命を救った事もしょっちゅうだった。
だから、家の家族で、ばあちゃんの言う事を聞かない奴はいない訳なんだけど、
そのばあちゃんから先日、電話があって、今、お前が付き合っている女は運命の女だって言ったんだよ。
それで、もし、その女とオレが別れる様な事があったなら、オレは3年以内に死ぬ運命に変わるらしい。
実は、今、オレは彼女とうまくいっていないんだ。
・・・その、何てゆーか、人と人の繋がりってゆーのは、簡単なものではないんだ。わかるか?」
意味はまったく分からなかったけど、僕の心はまだ純粋だったから、
「あぁ、この人はあと3年の命なのか、可哀想にな。」 と思った。
それから、少しして僕はバイトを辞めたので、3年の内に店長が死んだかどーかは知らない。
あの頃、だいぶ大人に見えた店長は、当時まだ20代の前半だったと思う。
ある時、店長のデスクの上で偶然に給料明細を見つけた事があって、
なんとエツカの時給は¥920であった。
そろそろ春だから、今年こそはブランニューな娘と超音速の恋がしたいぜ。
「あぁ、この人はあと3年の命なのか、可哀想にな。」 と思った。
それから、少しして僕はバイトを辞めたので、3年の内に店長が死んだかどーかは知らない。
あの頃、だいぶ大人に見えた店長は、当時まだ20代の前半だったと思う。
ある時、店長のデスクの上で偶然に給料明細を見つけた事があって、
なんとエツカの時給は¥920であった。
そろそろ春だから、今年こそはブランニューな娘と超音速の恋がしたいぜ。